今年が阪神・淡路大震災から三十年の節目となることから、あさひかわ新聞に「写真の話」を連載している写真家の谷口雅彦さん(57)が二月十八日(火)まで、日本茶CAFE/和風居酒屋WHIZ(五ノ八、旭川はれて屋台村内)で「写真展『阪神・淡路大震災から30年』展」を開催している。
一九九五年一月十七日午前五時四十六分五十二秒、マグニチュード七・三の大地震が発生。谷口さんはこの時、名古屋市内の知人の家にいた。前日、広島県立美術館での仕事を終え、各駅停車の列車に乗り、姫路、神戸に降り立ち、名古屋着後、酒席で語り合い、知人宅に泊めてもらった時だった。
名古屋は震度三だったが、揺れで目が覚め、スイッチを入れた携帯ラジオからは「大阪方面が大きく揺れた模様」と繰り返して流れていた。東京での仕事が入っていたので、ラジオをつけっぱなしで、各駅停車で東京へ。途中、神戸市内からの生中継で、アナウンサーは「高速道路が横倒しになっています」とうわずった驚きの声を上げた。
谷口さんは「帰宅し、テレビでニュースを見ているうちに、何かしたいと強く思ったが、何をしていいか分からなかった」と振り返る。
七月、広島に行く途中で、数時間、神戸市内を撮り歩いたが、「テレビや新聞報道のような写真は、自分のスタンスではない」と気づき、十月に再訪し、大きなフィルムサイズの四×五インチのカメラに三脚を立て丁寧に撮影した。「大型カメラで撮ることで、後の時代の人がそこに何があったか分かるようにした」と話す。十日ほどで約三百カットを撮影した。
写真展では、そのうち二十余点を展示。このほか、大地震を報じる新聞の切り抜きや、神戸市内の切羽詰まった様子を報じるラジオ放送をまとめた本も。
営業時間は午前十一時から午後五時、休憩をはさみ、午後六時から同十時まで。毎週水曜日は定休日。(一月十四日は午後六時から営業。十七日は午前十一時から午後四時まで)。問い合わせはTEL 070―2353―4188へ。(佐久間和久)