比布中央学校(小中一貫教育の義務教育学校)では、二月二十日と二十七日の両日、学校給食で無農薬米が提供された。

 コメは、町内の今野農園(今野勝貴代表、北一線四号)がアイガモロボットを使い、無農薬で栽培した「ゆめぴりか」。同農園では、有機JAS認証のトマトなどを栽培しており、今年度から新たにアイガモロボを導入し、農薬を使わないコメづくりに取り組んできた。無農薬でコメを育てる場合、除草剤を使わないため、雑草の除去に手がかかるが、アイガモロボを水田全体に走らせ水を濁らせることで、雑草の光合成を妨げ、生育を抑制できるという。

 同校の三年生は総合的な学習の「食事と健康」の授業の中で、「給食ができるまで」や「栄養のバランス」「地産地消」などを学んできた。昨年十二月には、今野代表を講師に招き、アイガモロボを使った農法についての話も聞いた。

 二十七日には、今野代表が同校を訪れ、三年生の児童らと一緒に給食を食べた。この日の献立も三年生が授業の一環で考えたもので、ご飯のほかは、ポテトのスープ、さばの味噌煮、ひじきの煮物という内容。夢中でご飯をかきこむ児童がいたり、何人もの児童がおかわりに並ぶなどして、この日に用意したコメはあっという間に完食。三年生以外の学年でもほぼ完食で、普段と比べ明らかにご飯の残食が少なかったという。

 ご飯をおかわりして食べていた谷歩くん(9)は「おコメがやわらかくて、おいしかった」と笑顔だった。

 今野代表は「子どもたちが毎日食べる学校給食は、おいしいと安全がセットでなければなりません。来年度以降も、この取り組みを続けていけたら」と語った。(東寛樹)