親の病気や災害、自死の遺児や親に障がいのある子どもを支援する「あしなが育英会」から奨学金を受けている学生が中心となり、十九日(土)から二十七日(日)までの土・日曜日の四日間、旭川市内の街頭で「あしなが募金」を行う。
札幌市在住の伊輿森あかりさん(21・酪農学園大学二年)と飴麻帆さん(20・藤女子大学三年)があさひかわ新聞を訪れ、市民の協力を訴えた。
大学・短大に進学する学生は月四万円または五万円、高専・高校に進学する生徒は三万円の奨学金を貸与されるが、二〇二四年度の高校奨学金の場合、全国で三千四百八十七人の申し込みがあったが、千九百四十九人が支援を受けることができなかった。北海道の場合も、百三十三人の申し込みがあったものの九十九人が不採用となった。
政府はこのほど高校授業料の無償化を決めたことで、「無償化なら、あしなが奨学金は不要では?」との声も聞かれるが、対象は授業料のみで、授業料以外の負担は大きいという。高校奨学生世帯の可処分所得の平均は全世帯平均の六割だが、授業料を除いた学校教育費の平均は私立高で約五十三万円、公立高校で約三十一万円(文科省調査)にもなる。
伊輿森さんは「小学生の頃から獣医師を夢見てきましたが、家庭の事情で夢を諦めかけた時もありました。そんな時、あしなが育英会の奨学金が、自分を応援してくれる存在と知り、勇気とチャンスをもらい、大学に進学することができました」と話す。
飴さんは「奨学金を受けることができる人は、申請者の半分にも満たないのが現状です。もっともっと多くの人たちが採用されるよう、皆さんからの募金をお願いしたいと思います」と協力を求めた。
十九日(土)と二十日(日)はアッシュ前(一ノ七)、二十六日(土)と二十七日(日)は駅前イオンモール横広場(宮下通七)。時間は午後零時から六時まで。
街頭募金以外でも寄付を受け付けている。郵便振替口座00140―4―187062「あしなが学生募金事務局」。(佐久間和久)