ASAHIKAWA DESIGN WEEK(あさひかわデザインウィーク・ADW)2025が六月二十一日から二十九日までの九日間、北彩都ガーデンや買物公園、旭川デザインセンターなどを会場に開かれた。あさひかわデザインウィーク実行委員会(森俊一実行委員長)の主催。今年のテーマは「Life with.」。「デザインは、私たちの暮らしをもっと心地よくしてくれるもの」という考えのもと、日常にある身近なデザインを認識したり、理解を深めたりできる企画が各所で行われた。概略を二回に分けてレポートする。その一回目。

ロングテーブル囲み
豊かな“朝”楽しむ

 六月二十一、二十二の二日間、北彩都ガーデン(宮前二ノ一)で開催された「あさいち」は、市が石川俊祐CDP(チーフデザインプロデューサー)を中心に進める「フードフォレストあさひかわ」構想の一環で行う「朝のあさひかわ」プロジェクトの実証実験を兼ねた取り組み。

 会場では、食材にこだわったフードやドリンクに加え、木製のキッチン道具やカトラリー、野菜、生花などを販売。そのほか、コーヒードリップやおむすびに関する各種ワークショップなども行われた。

 雨の影響から、二日目の来場者が伸びなかったものの、延べ約七千八百人が来場。初日、午前七時の開場直後には、すでに多くの人でにぎわい、ガーデン内や鏡池沿いに置かれたロングテーブルを囲んで食事や会話を楽しむなど、思い思いに朝の豊かな時間を過ごしていた。

 あさいちの担当者の一人、佐藤公哉さんは「今回も多くの方に来ていただき、改めてニーズがあることがわかりました。このようなイベントをADWのタイミングだけでなく、規模を変えたりしながら定期的に行うことで、朝の気持ちの良い自然の中で、豊かな時間を過ごすという営みが、旭川の新しい文化になっていくといいですね」と振り返った。

“学びの縁日”まちなかキャンパスに
6万5000人

 同じく二十一、二十二日、高校生や大学生らが出展者となり、SDGs(持続可能な開発目標)やデザイン、まちづくりについて、来場する子どもたちと学び合うイベント「まちなかキャンパス」が行われた。

 今年は、市内の十一高校や高専、大学、団体、企業など計三十五団体が参加。学生・生徒らが日頃の探求学習で得た学びを、ポスター展示やワークショップに落とし込んで表現するほか、初参加の団体・企業によるプログラムなども加わり、さらに多様化した六十六のブースが、宮下通から七条緑道までの買物公園に並んだ。

 イベントには家族連れを中心に多くの人が訪れ、二日間で、延べ六万五千人が来場。時おり、各ブースに順番待ちの列ができるなど、にぎわいを見せていた。

 実行委員会の浜田良樹会長(旭川高専教授)は「今年は初めて、雨に降られてしまいましたが、大きな影響はありませんでした。それは、参加する人に明確な目的意識があり、高校生、高専生、大学生が質の高い展示をしたから、天気に負けない学び合いの場が生まれたのかもしれません。ユネスコデザイン創造都市のハノイ(ベトナム)やチェンライ(タイ)の担当者と高校生が、オンラインで直接話し合えたのも大きな成果といえます」と語った。(東寛樹)