缶・びん等資源物中間処理施設「旭川市リサイクルセンター」(東旭川町上兵村二八二番地)の供用が、一日から始まった。
市では一九九六年一月、家庭ごみの五分別収集開始に伴い、空き缶・空きびんなどの選別処理施設として「近文リサイクルプラザ」(近文町十四)を整備。ごみ焼却処理施設の近文清掃工場とともに、市内のリサイクル推進を担ってきた。しかし、稼働開始から二十五年以上が経過し、建物や機械設備の老朽化に伴い維持管理費が増大しているほか、選別処理工程の非効率性や、ガラス・びん成果品の品質改善などの課題を抱えていた。
当初、新たな中間処理施設の整備手法はDBO方式(公設民営)を採用する予定で進められていたが、二〇二〇年、市と民間事業者とがそれぞれ見積もった概算事業費に大きな開きが生じたことから、公表していた実施方針や要求水準書(案)を取り下げ、事業内容などを見直した。新たに受け入れを予定していた「ガス缶・スプレー缶」「乾電池」「蛍光管」などを、従来通り最終処分場で受け入れるなどして施設規模や機能の合理化を図り、建物の延床面積を圧縮した。
再度、事業費を精査したところ、DBO方式で期待された経済的な優位性が確認できなかったため、従来方式で整備した。
同センターでは、近文リサイクルプラザに代わり、空き缶(スチール缶・アルミ缶)や空きびん類(ガラスびん)、紙パック、家庭金物(なべ、やかん、フライパンなどの台所用品)などを収集、選別する。処理能力は一日あたり二十㌧。
これまでびん類を色別に手作業で選別する際、空き缶なども混在する中で行っていたが、新施設では先にそれらを取り除き、びん類が選別しやすいように工程を見直し、作業効率が向上した。そのほか、小中学生らが施設を見学する時、以前は分別作業をしているすぐそばを歩いていたが、同センターでは建物二階に見学ホールや通路が設けられ、安全性が確保された。
供用開始に伴い同日開かれたオープニングセレモニーでは、今津寛介市長が「オートメーション化され経済的・効率的になっているほか、会議室もあり、子どもたちの社会見学など様々な面で活用できる素晴らしい施設へと生まれ変わりました。世界の環境に貢献するサステナブルデザイン都市にふさわしく、市民に愛され、長く活躍できる施設として、これからも取り組みを進めていきたい」とあいさつ。
セレモニーの後、参加者らは同センター職員の案内のもと施設内を見学した。(東寛樹)





