img財団法人キリン福祉財団(本部:東京、荒蒔康一郎理事長)の社会福祉助成金贈呈式が十五日、おぴった(宮前通東)で開かれ、「ドンマイの会旭川支部」(青島多美子支部長)に三十万円の目録が贈られた。

同財団は国際障害者年である八一年(昭和五十六年)、キリンビールの創立七十五周年を記念して設立された。福祉目的専門の財団で、特に行政の手の届きにくい、いわゆる「福祉の谷間」に置かれがちな人たちに対しての活動を支援している。

今年度の助成金を受けた「ドンマイの会旭川支部」は、高機能広汎性発達障害(高機能自閉症・アスペルガー症候群)のある子どもたちの親の会。この障害を理解するボランティアスタッフの養成を活動の中心としている。子ども本人がスタッフと交流することを通じ、成長発達を支援している。旭川のほか、札幌にも支部がある。

ドンマイの会では、「子が安心して生活していくためには、この障害を理解し、学校や地域、職場にも理解を広めるボランティアスタッフの養成が不可欠」と捉えている。助成金の目録を受け取った青島支部長は「頂いた助成金は、三回に分けてボランティアスタッフの養成に使わせていただきます」と話した。

本人の生活する環境によって、障害を支援する家族や周囲の「困り感」に差があるケースが往々にしてある。この場合、行政による定型のサービスでは支援が行き届かない。こうした状況の下、キリン福祉財団の助成金は、地域の福祉活動にあたる団体にとって、大きな支えとなっている。

目録を手渡したキリンビールの泉英一道北支社長は、「キリングループ全体として、地域の皆さんにこうした支援をさせていただけることを嬉しく思います」と助成金贈呈の感想を話した。

キリン福祉財団は今年度、全国の百三十五の団体に対して約三千二百五十万円を助成するとしている。