石狩川にサケの天然産卵を回復しようとする大規模な稚魚放流が二十四日、愛別川の富沢橋付近と忠別川のツインハープ橋付近で行われた。

 独立行政法人 水産総合研究センターさけますセンターの事業。大雪と石狩の自然を守る会などが協力した。

 それぞれの場所で二十五万匹、計五十万匹の稚魚を放流した。昨年も同じ規模で行われており、今年で二回目。来年も同数の放流を予定しており、三年間で百五十万匹の稚魚を放流する計画だ。放流した二地点は、湧水があり、かつ稚魚を運ぶトラックを川近くに寄せることが可能な点から選定された。

 来年は放流のほかに、初年度に放流した三年魚の回帰調査が始まる。遡上するサケにとっては、深川の花園頭首工が一番の障害となると思われる。

 大雪と石狩の自然を守る会の寺島一男代表は「サケ回帰のための活動を三十年近く続けてきたが、今回は実現するという強い期待を持っている」と話していた。

 放流した稚魚が実際に帰ってくれば、神楽岡公園から放流した地点付近にかけて、産卵する姿が見られると予想されている。