旭川デザイン協議会(小林謙会長)が設立十周年を記念して昨年十月に刊行した「旭川デザイン史」が、一部補筆して増刷された。

 同会顧問の渋谷邦男・東海大学名誉教授が中心となり、協会十周年に合わせて、旭川のデザインの歴史を俯瞰しようと編纂に着手した。

 「旭川デザイン史総説」「旭川デザイン協議会(ADA)」「旭川家具とデザイン」「国際家具デザインフェア旭川(IFDA)」など、旭川のデザイ ン界の足跡について、それぞれの団体やイベントに深く関わったメンバーが執筆。「旭川のデザイン史をつくる人々」のページでは、デザイナーや周辺の人々の 横顔が紹介されている。

 また、一八九〇年(明治二十三年)の旭川開村に始まる年表は、「一般・デザイン界」「産業界」「教育機関」「官公庁」に分けて、その動きが丁寧に記録されている。地域の視点からのデザイン史の刊行は全国でも例がない。

 昨年十月に刊行したところ大きな反響を呼び、初版の千部が瞬く間になくなったため増刷に踏み切った。今回は七百部印刷した。

 渋谷さんによると、今月五日に石川県金沢市で開かれた芸術工学会で、全国各地域の今後を考える上でこうしたデザイン史は極めて有効だと注目され、全国各地で「地域デザイン史」を編纂しようという動きがスタートしたという。

 A4判、二十八㌻。希望者は頒価百円と郵送料百六十円の切手二百六十円を同封して、〒070―0030 市内宮下通十一蔵囲夢内 旭川デザイン協議会に申し込むこと。問い合わせは、同協議会事務局(℡23―3000)へ。