第十九回東日本学校吹奏楽大会が十二日、石川県の金沢歌劇座で開かれる。小・中学校、高校の三クラスに六十校が参加。旭川からは旭実が初めて参加する。昨年の旭川地区大会で最下位だった同校は一年間かけて北海道ナンバーワンに輝き、東日本大会という大ステージで演奏する。


 同大会は、北海道、東北、東関東、西関東、東京都、北陸の六吹奏楽連盟の予選を勝ち抜いた、小編成(三十人以内)バンドが参加するコンクールの最上位の大会。小学校十二、中学校三十、高校十八バンドが参加。北海道からは小学校二、中学校五、高校三バンドが予選を通過して出場する。

 旭実は昨年の旭川地区大会で最下位だった。現三年生部員が「このままでは終わりたくない」と一念発起。今年一月からミーティングを重ね、メンタル面を高めて練習。その甲斐あって六月の旭川地区で優勝し、八月の北海道大会でも一位に輝き、創部以来初の出場を決めた。

 顧問で指揮をする、辻村信太郎教諭(29)は「正直驚いています。三年生が良く頑張ってくれました」と十一人の三年生部員の頑張りを讃える。

 まとめ役の古屋寧々部長は「みんなが変わりたいと思ってやってきました。東日本が決まった時は嬉しかったですが、それ以上に代表になって、もう一回り良い演奏をしたいと思いました」と冷静に話す。

 大舞台で演奏するのは樽屋雅徳作曲の「ノーヴェンバー・ナインティーン」。リンカーン米大統領の演説をもとに作られた曲で南北戦争、演説、そして暗殺されるまでのストリーを表現している。全体的にメロディックなサウンド。本来はフルートのソロ演奏から始まるが、旭実はソプラノサックスとクラリネットに替えている。

 辻村教諭は「東日本では納得できる演奏をしたい。表現力、気持ちを込めて感動してもらえる演奏を目指します」と話す。

 古屋部長は「自分と聞いている人たちが感動する、心に残る演奏をするのが目標です」。どん底からはい上がった部員たちが、どんな演奏を披露するのか――。