画像 子どもたちにとって安全、安心とはどんなこと――。 毎日多くの危険にさらされている子どもを守ろうと、旭川市PTA連合会(川村寿裕代表)主催の講演会とパネルディスカッションが二十一日、サンアザレア(六ノ四)で開かれた。

 講師は道内のまちづくりや防災防犯の専門家、道立北方建築総合研究所科長の松村博文さん。

 「地域によって子どもを守る取り組みに温度差があったり、ライフスタイルの変化から地域コミュニティーが崩壊してきている」と現状を指摘。町内の子どもの顔と名前を把握している住民も少なく、コミュニティーが機能していない状況について「地域のことを熟知している高齢者の出番です」と実例を挙げ、毎日の見回りで楽しさや、やりがいを感じるお年寄りが多いと報告した。

 講演の中では、各学校ごとに取り組んでいる「安全マップ」も紹介。全校児童にアンケートをとり、「どこで遊ぶ」「危ないなと思った場所」などそれぞれの統計をクリアシートに書き込み、学校区域内の地図と合わせて、保護者らが実際に現場へ行き現状を把握するなど、効率がよい見回りができる。道立北方建築総合研究所が〇二年度から研究を始めたものだ。「安全マップ作りは、学校の先生、PTAの人だけではなく、地域を熟知している住民の意見を取り入れて作ると、より精度の高いものができる」と参加者たちにアドバイスした。

 近文地区社会福祉協議会(西出元会長)では、今年の四月に近文小学校で、見守り委員や子ども一一〇番の家の人達と児童が、地図で自分の家と子ども一一〇番の家を確認する取り組みを行った。西出会長は「お互いの顔を知り、名前を覚えることで、子どもたちと地域住民とのコミュニケーションが取れ、さらに効果が上がっている」と話した。

 子どもたちの安全を守るためにも、昔ながらの地域力、コミュニケーションを見直すことが必要だ。