img素朴であたたかな表情の仏画を展示する「感謝(おかげさま)展」が、アラビゴコーヒー神楽店(神楽五ノ八 神楽小隣)で開かれている。

作者は、市内在住の中谷三枝子さん(70)。絵画歴は油絵や水墨画を含め二十年ほどで、一昨年までは絵手紙の講師も務めていた。

中谷さんは、幼い頃から体が弱く、どういう訳か十二年周期で大病を患ったという。次第に仏像や神社など、神秘を感じさせるものに惹かれるようになり、定年退職後は四国八十八カ所を巡礼する旅にも出掛けた。仏画を描き始めたのはその頃のこと。「仏画は魂がきれいになる年初の一月にしか描きません。心が神秘で一杯になったとき、自然と筆が動くんです」と話す。今展の作品は、今年を含めたここ数年に描いた。

img筆に墨を含ませ、呼吸を置かずに一気に描き上げる。日本画に用いる絵の具・顔彩によって、ほんのりと淡く色づいた仏の顔が、観る者の心を解きほぐす。絵に添えられた文字や文章は、中谷さんが仏教の書物に触れる中で得心した言葉をモチーフにしている。

中谷さんは今展の主旨について「絵を観た方々に癒しを感じていただきたい。それが何よりもうれしいことです」と話している。

会場では仏画十七点のほか、絵手紙、また和紙製のコースターに描いた作品なども展示している。三十日まで(月曜定休)。午前十時~午後五時。問い合わせはアラビゴコーヒー神楽店(TEL63―5005)へ。