img春光台公園のシンボルとされ、徳富蘆花の小説のタイトルにもなっている寄生植物・寄生木(やどりぎ)を多くの市民に知ってもらおうと「春光台の自然を考える会」(芦田孝会長)が十三日、同公園で「寄生木生態ワークショップ」を初めて開く。

同会は一日から七日までNHKギャラリーで開かれた同会主催の写真展「春光台公園の四季巡り」の会場に、寄生木の実物を展示した。この寄生木は、寄生木の碑の近く、高さ二十メートルほどのカシワの木の枝に生え、同公園の中でも最大級のものだったが、二月に根を張っていたカシワの枝が折れ、枝ごと地上に落下しているのが見つかった。

この寄生木を十年近く見守っていたという芦田会長(65)は、市民に寄生木の存在を知ってもらうための教材にしようと、市の許可を得て枝ごと譲り受け、写真展に合わせて展示した。木の枝の上に生える寄生木は、地上から見ると鳥の巣のような、細い枝の集まりに見えるが、目の前で見ると鮮やかな緑色をした枝や葉に驚かされる。寄生植物とはいっても、自らも光合成を行うため、栄養分の三割程度は自前で確保するという。

芦田会長は「冬に花を咲かせ、常緑樹で葉も落ちないなど、たくましい生命力を持っている寄生木の魅力を、多くの市民に知ってもらいたいですね」と来場を呼びかけている。参加者には粘り気のある寄生木の実が配られ、木の枝への種付けも行われる。

午前九時半、春光台公園入口バス停前集合で、参加無料。問い合わせは芦田会長(TEL53―2609)へ。