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旭川平和ライオンズクラブ(以下LC、石崎勝久会長)の結成四十五周年を記念する式典が十六日、旭川グランドホテルで開かれた。

旭川平和LCは一九六三年(昭和三十八年)に結成。植樹や献血などの奉仕活動や青少年の健全育成を通じて、発足以来四十五年にわたって地域社会に貢献してきた。

式典当日は記念講演が行われた。講師は、旭川医大学長で同大眼科学講座教授の吉田晃敏さん(56)。「道内の医療格差に対する旭川医科大学の使命と諸課題」と題して話した。

吉田学長は糖尿病網膜症の権威で、遠隔医療に精通していることで知られる。遠隔医療とは、通信技術を用いて、遠隔地の患者と直接対面せずに診察などができるシステム。講演では、手術中の模様を遠隔地にリアルタイムで送ったり、遠隔地の患者を診察する吉田学長の姿などが紹介された。吉田学長は「人が動くのでなく、情報を動かすことで地域間の医療格差を解消するのが遠隔医療」と説明した。

講演の中では「人口減少、急激な高齢化への対応が医療の課題。旭川は本州から高齢者を集め、医療によっての活性化を図る策も考えられる地域だ。地球温暖化は問題とされているが、寒さの厳しい旭川にとっては、むしろチャンスでもある」という論も展開した。

同式典の大会実行委員長を務めた石川信義・イシカワ自動車社長(67)は「失明や視力回復への貢献は、LCの中心的理念です。今回の講演は会員の関心も非常に高かった」と感想を話した。