旭川ゆかりの詩人・小熊秀雄(一九〇一―一九四〇)の名を冠した現代詩の賞を運営する市民実行委員会(松田忠夫会長)が主催する「小熊秀雄を『しゃべりまくれ』講座」が十五日夜、二十五人が参加してときわ市民ホールで開かれた=写真。

 第五回目の講師は、市井の小熊研究者の宮川達二さん(58)と実行委員会事務局長の高田雍介さん(73)の二人。

 宮川さんは、高校時代に小熊の詩に出会い、長く小熊の作品や人となりを研究し続けている。バンクーバー五輪で女子フィギュアの浅田真央選手が競技で使った曲、仮面舞踏会にまつわるエピソードを、小熊が好んだロシアの作家を辿りながら披露。「小熊はなぜ『マヤコオフスキーの舌にかわって』を書いたのか」などのテーマで、丹念な検証と斬新な切り口から、小熊の作品や精神性について語った。

 高田さんは、前回に続き、昨年、宮川さんらと共に訪れたサハリンの旅を自らのナレーションを入れた映像でリポートした。小熊は十四歳から二十歳までをサハリンで過ごしている。小熊がロシアの詩人や作家に傾倒していった背景を、サハリンに縁が深い文豪チェーホフの足跡をたどりながら報告した。