7年間の活動 結実へ

 美唄市出身で世界的に著名な彫刻家・安田侃(かん)の作品を購入し、旭川市に寄贈しようと活動している市民団体「彫刻ファンド市民の会」(大久保正義会長)はこのほど、基金額が目標とする金額に近づいたことから、作品の購入を決定した。二十二日、大久保会長や岡昭男事務局長らが市役所を訪れ、市長に寄贈の目録を手渡した。実際の作品は一一年(平成二十三年)九月、新駅舎のグランドオープンにあわせて引き渡される。

 同会の発足は〇三年(平成十五年)。行政や大企業に頼らず、市民の力で安田侃の作品を購入し、市に寄贈する目的で設立された。現在三百二十人の会員がおり、年間一口二千円の会費のほか、〇八年(同二十年)からは寄付も受けつけて基金を積み立て、目標額の千六百万円を目指してきた。

 ここに来て基金が一千万円を超えた。さらに旭川商工会議所の議員企業を回ったところ、合計三百万円ほどの収入が今後に見込めたことから、近く購入が可能と判断し、今回の目録寄贈となった。

 作品名は「天秘(てんぴ)」で、ホワイトブロンズ製、高さは約二メートルほどになる予定。安田氏が十月に工事中の新駅舎を訪れ、現地を見た上で制作に入る。場所は新駅舎内で、買物公園の延長線上になる可能性が高い。

 同会の大久保正義会長は「七年の間、皆さんに協力を頂き今日の日を迎えることが出来て嬉しく思います。作品には新しい旭川駅舎の中で輝いてもらいたい」と話した。

 目録を受け取った西川市長は「たくさんの基金をよく集められました。ぜひ良い場所に設置させて頂きたい」と応じていた。