デンマークの建築・家具デザイナー、フィン・ユール(一九一二―八九)が手がけた椅子や自邸の建築模型などを展示する「フィン・ユール展 自邸を通してデンマークのデザインを眺める」が東海大学旭川キャンパス(忠和二二四)芸術工学研究館一階ギャラリーで開かれている。旭川では二十一年ぶり二度目の開催で、世界の椅子のコレクションで知られる同大の織田憲嗣教授が監修している。

 壁一面の大きな写真で室内が再現され、ユールが自邸で使用していた椅子が展示されている。椅子の中には、織田教授がユール夫人から譲り受け、コレクションに加えたものもある。

 自邸の建築模型は、デンマーク国立博物館が所蔵する図面に加え、四年前にデンマークで同大の教授と学生が実測調査を行った際のデータを元に制作した。制作に携わった同大大学院生の加藤友貴さん(22)は「先輩たちの調査がなければ実現しなかった四年越しの企画」と話す。

 今展で学生を指導した同大の大野仰一教授(59)は「巨匠の自邸から見えてくる、長く愛され続ける家具の良さ、美しい景観と共に暮らす豊かな生活をぜひ感じて欲しい」と話している。

 七月三日(日)まで。午前十一時~午後六時。月曜休館。問い合わせは同大事務室(TEL61―5111)まで。