劇団四季のミュージカル「王様の耳はロバの耳」の公演が二十四日と二十五日、市民文化会館(七ノ九)で行われ、市内の四十九の小学校六年生や引率の教師ら約三千人が鑑賞した。企業の協力や支援で子どもたちを無料で招待する「こころの劇場」による鑑劇会。
「王様の耳はロバの耳」はギリシャ神話を元にした寺山修司の戯曲。ロバの耳を持つわがままな王様と、その秘密を知ってしまった一人の床屋の物語。音楽に乗せて軽快なテンポで進む舞台では「真実を見る目」「本当のことを言う勇気」「過ちを認める心」の大切さが描かれ、一九六五年(昭和四十年)から上演され続けている。
取材に訪れた二十四日(金)、集まった約千五百人の子どもたちは時に真剣に、時に笑顔で舞台に見入った。物語終盤の、王様に「王様の耳はロバの耳 だから何にも聞こえない」と歌いかける場面では、舞台の俳優たちが客席の子どもたちの元に駆け寄り、全員で声を出して歌った。
舞台終了後は、ホール出口で俳優たちが子どもたちを見送った。舞台衣装そのままの俳優の姿に子どもたちは大はしゃぎ。永山南小学校六年生の井上公耀(こうよう)君(12)は、「衣装やメイクが派手で面白かった。握手をしたら手が大きくてびっくりしました」と話した。
(舞台写真提供:劇団四季 阿部章仁撮影)