十六年にわたり、旭川を拠点に活動を続けてきたジャズマンス・イン・旭川(JMIA、佐々木義生代表)が十一月十一日(日)午後六時半から、大雪クリスタルホール(神楽三ノ七)で「ザ・ワールド・オブ・サミーネスティコ」の公演をおこなう。

 サミー・ネスティコは世界的に著名なジャズの作曲家。八十八歳の今も創作意欲は衰えず、新しいサウンドを作り続けている。これまで作曲した数千曲は、米国国会図書館に永久保存されている。彼の曲は世界中でジャズ音楽を学ぶ若者にとって教本となっていて、「ビッグバンドの聖典(バイブル)」と呼ばれている。

 ネスティコは、〇四年に佐々木さんが指導するジュニアジャズオーケストラがニューヨークに招待された時、演奏会場に来てくれたことが縁で、翌〇五年に来旭し、JMIAに参加。一週間、旭川に滞在した。以後、佐々木さんがネスティコ宅を数度訪れるなど、親しい交流が続いている。

 佐々木さんは「昨年ネスティコさんを訪ねた時、『私の曲を君に託す。日本で自由に使っていい』というお言葉をいただき、サミーネスティコ・ミュージック・ジャパンを立ち上げました。今回の公演はネスティコさんの八十八歳の米寿の祝いを兼ねており、演奏する十二曲全てはネスティコさんから預かってきたものです」と話す。

 今回、ネスティコは来旭できないが、スカイプを使った映像ライブで参加することになっている。公演には、〇五年にネスティコと一緒に演奏をした、エリック宮城(トランペット)と守屋純子(ピアノ)のほか、多田誠二(アルトサックス)、片岡雄三(トロンボーン)、中村健吾(ベース)、広瀬潤次(ドラム)の六人が参加。佐々木さんがコンダクターを務める。

 公演に先立つ今月三十日(火)午後七時から、神楽公民館木輪館(神楽三ノ六)で「東日本大震災被災地楽器支援コンサート」を同実行委員会の主催で開く。

 佐々木さんは「大震災後、被災地に楽器を贈る活動をおこなってきました。今回は預かってきたサミーネスティコさんの楽譜も提供したいと思ってます」と話している。

 出演は立谷富打美男グループや角雅晃ブラスクインテットなど地元の演奏家ら四グループ。入場料は無料だが、会場で被災地に贈る募金をお願いする。