成年後見制度のセミナーが一日、市民活動交流センターで行われ、本紙の連載「最期の在り方」の執筆者、柴田えみ子さんが尊厳死について講演した。
柴田さんは、現在の終末期医療について「昔であれば“看取り”だった時点から、延命という時間が続くようになってしまった」として、回復の見込みがないのに、機械によって生かされ多大な苦痛を味わうだけの延命治療を拒否する「リビング・ウイル」(尊厳死の宣言書)の必要性について話した。
柴田さんは「医師は、正当な理由がないのに延命治療をしないと保護責任者遺棄致死罪に問われる。患者側はリビング・ウイルによって医師の免責をしておかないと、苦痛を最小限にする尊厳死は実現しない」などと説明した。
このセミナーはNPO旭川こうけん人(山辺恵子理事長)の主催。毎月一回のペースで開き、家庭裁判所や市職員などを講師に招くほか、最高裁判所が製作したDVDを観賞して成年後見制度についての知識を深めている。