道産トドマツ材を使った製品の普及をめざし、旭川信用金庫本店(四ノ八)ロビーに十九日、トドマツ製のベンチとテーブル、絵本ラックがお目見えした。

 「北海道の森」をテーマに絵本作家・あべ弘士さんがデザインし、インテリアショップHOMES(一ノ十)を運営する北海道ポットラック(前田あやの代表)が製作。上川総合振興局が助成した。

 トドマツは紙の原料となるパルプ材や建築材料などに使われているが、軽量で柔らかく傷つきやすい材質のため、これまで家具には向かないとされてきた。しかし道内では戦後、トドマツが大量に植林され、今後伐採時期を迎えることから、生産量の増加が見込まれ、新たな活用法が注目されている。

 製作を担当した北海道ポットラック社は、道産針葉樹を使った家具ブランド「CONITURE」を製造・販売し、旭川駅や羽田空港などにも設置している。お目見えした家具は「あべ弘士×CONITURE」と名付けたシリーズ。三人掛けのベンチ二点、子ども用ベンチ二点、テーブルや絵本ラックが設置された。

 引き渡し式ではポットラック社の前田代表が「地材地消の考えを根底に、製品を通して山の現状、木の現状を広めたいです」とあいさつ。あべ弘士さんは「トドマツは私の絵本にもたくさん登場しています。製品に描かれた動物のことも覚えて下さいね」と笑顔で語りかけた。