印刷のあいわプリント(三ノ四)が、旭川市役所赤レンガ庁舎のポストカードを制作した。市は新しい市庁舎を建設し、赤レンガ庁舎は解体する計画だが、このポストカードには「解体せずに保存して活用すべき」との思いが込められている。

 カラー写真四枚、モノクロ写真四枚の計八枚で一組。現在の外観をはじめ、一九五八年(昭和三十三年)十一月の完工直後に撮影した写真もある。

 千部印刷し、現市庁舎の保存活用を訴えて署名活動などを行っている「赤レンガ市庁舎を活かしたシビックセンターを考える会」(代表=大矢二郎・東海大学名誉教授)に寄贈した。

 赤レンガ市庁舎は建築家・佐藤武夫の設計で、一九五九年(同三十四年)に日本建築学会賞を受賞。また二〇〇三年(平成十五年)には日本におけるモダン・ムーブメントの建築百選(DOCOMOMO)にも選ばれている。

 同社の渡辺辰美社長は「旭川は古い建物をすぐに壊してしまう。逆に札幌は古い建築を残して、『赤れんがテラス』などまちづくりに活かしている。旭川の旧市役所庁舎はかつて、現在の旭川グランドホテルの位置にあった。その模型が旭川市博物館に展示されているが、もし現在も残っていたら素晴らしかっただろうと思う。旭川の現市庁舎も、私たちの次の世代、そのまた次の世代に受け継がれれば、まったく違った価値が出てくるはず」と話す。

 大矢代表はポストカードの活用方法について「これまで会に資金援助をして下さったり、署名活動に協力して下さった方々に感謝の気持ちを表すために使わせていただきたい」と話している。

 問い合わせは考える会の事務局(N工作舎、TEL53―3780)へ。