草木染めなどのワークショップを行う「あさひかわ『色の家』」を主宰する末廣久美子さん(64)が、藍(あい)の種を無償で提供している。

 末廣さんは十八年ほど前に化学物質過敏症を発症し、趣味のシルクスクリーン版画の画材が使えなくなった。天然の画材がないかと探していた時に、天然染料や顔料、その技法を現代に活かすことを目的に活動する「アースネットワーク」に出合う。そこで画材づくりや染色などを学ぶのと同時に、自宅の庭で藍などの植物を育て始め、草木染めなどのワークショップを開いてきた。

 提供しているのは、藍の中でもタデアイの千本種(せんぼんしゅ)の種。道北で藍を育てるにはコツが必要だが、末廣さんに教えてもらえるほか、プランターでも育てられるという。「毎年必ず採種できるとは限りませんが、昨年は天候にも恵まれ多くの種が採れました。今がちょうど種まきの時期ですが、種のほか直接取りに来られる方には苗の状態でもお渡しできます」と末廣さんは話す。

環境に配慮したワークショップ
「プロセスを大事に」

 末廣さんが開くワークショップでは染色のほか、染色後の残液から作った顔料を用いて、型染めやクレヨン作りなども行う。排水に余分なものを流さないだけでなく、植物から抽出した色を無駄なく使い切ることで、人や環境に出来るだけ負荷を与えないよう配慮している。

 今年のワークショップは、十二月までに十回の開催を予定している。時間は各回午後一時~四時で、参加費は大人が二千円、子どもが五百円(材料費、保険料込み)。

 末廣さんは「ワークショップは誰でも参加しやすいよう一回完結の形にしていますが、一年を通して参加することで、その流れが感じられるように工夫しています。植物を育てたり生地を染色する時のプロセスから“何か”を感じてもらえたら」と呼びかける。

 また末廣さんは、二十二日(土)から六月二十日(日)まで、ブックマークカフェ(市内一ノ八 フィール旭川四階)で、「天然の色展 草木染めのストール」と題して、七~八枚のストールを展示する予定だ。

 藍の種についての問い合わせやワークショップの申し込みは末廣さん(TEL46―7220)へ。(東寛樹)