「四十年以上家庭菜園をしていますが、こんなに大きくなったナスは初めて。ジャガイモもたくさん採れています」と、あさひかわ新聞に「わがままエッセー」を連載している高橋三枝子さん(98)から電話が来た。

 訪ねてみると、茎の高さは二㍍ほど。通常六十㌢から一㍍といわれているから、二倍以上だ。枝には、ピカピカの大きなナスがいくつもぶら下がっている。
 菜園は高橋さんが忠別川の堤防近くに自宅を建てた後、河川事務所から河川敷を借り受けた。毎朝四時から一時間かけて耕し、畑にしたそうだ。

 現在は息子の喬(たかし)さん(74)と妻のてる子さん(70)がナスやキュウリ、トマト、ハクサイ、キャベツ、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、タマネギなど十数種類の野菜を作っている。喬さんは「八百屋を開けるほどですよ」と笑う。毎日欠かすことなく、朝には有機質肥料を溶かした水を、夕方には水を散布している。

 高橋さんは「体調の良い日は私も手伝いますが、二人とも、とにかく一生懸命です。収穫した野菜は皆さんにおすそ分けをして喜んでいただいています」と笑顔で話している。(佐久間和久)