丘のまち交流館ビ・エール(美瑛町本町一)で「嵯城幸子 丘の妖精たち とうきび人形展」が開催中だ。

 アトリエぽぷりを主宰する美瑛町の嵯城幸子さん(79)は三十年以上前から、デントコーンやトウキビの皮を使った人形制作に取り組んでいる。人形を木の枝などの自然素材や小物と組み合わせて、生活の一コマや昔話の世界などを表現した作品は、一九八七年の初個展以来、見る人の心をつかんできた。

 最近は多忙なこともあり、制作を続けながらも発表してこなかった嵯城さんは、コロナ禍で人々の生活から楽しみが失われていく様子を見て「作品を見てほっこりしてほしい」と今展の開催を決めた。

 作品はテーマごとに十数テーブルに展示されている。嵯城さんが家の敷地や近くで拾ってきたり、知り合いが届けてくれたりしたツルウメモドキや色づいた桜の葉、カボチャやホオズキなども作品の一部となり、壁には、屋外などで撮影されたとうきび人形の写真が飾られている。写真は、嵯城さんのとうきび人形から得た発想をもとに、美瑛町の写真家・守谷光代さんが撮影したものだ。二十三年前、二人のコンビでとうきび人形の本『丘の妖精たち あのね おかあさん』が出版されている。「もう一度本を出すのが夢です」と嵯城さんは笑顔で話した。

 二十八日(日)まで。入場無料。午前十時から午後七時。

 問い合わせは、丘のまちびえい活性化協会(TEL92―5677)へ。(竹内百合)