旭川遠友塾(豊島誓子共同代表)の第十二回卒業式が十九日、学び舎の旭川医療秘書専門学校(九ノ十一)で行われた。卒業生のほか在校生やスタッフなど約四十人が出席して二人の卒業生を祝福した。

 遠友塾は病気など様々な理由で小・中学校に十分通えなかった人や、小・中学校を卒業しても言葉や生活するうえで不便を感じ、もう一度基礎的な勉強をしたい人が対象。毎週土曜日午後四時半から六時四十分まで開校している。現在、二十歳代から八十歳代まで二十一人が学んでいる。

 今年度の卒業生は石田初美さん(84)と新栄望美さん(37)の二人。在校生たちの拍手で迎えられ、お祝いのくす玉が割られた。着席した二人に豊島共同代表から卒業証書が手渡された。

 石田さんは「和裁のサークルを終えた後、三年間通いました。これまでとは違った充実感があり、楽しかったですよ。和裁? 十六歳からですので、七十年になります」と笑顔で話す。

 新栄さんは「友だちの紹介で遠友塾を知り、入学しました。楽しく、気持ちよく勉強することができました。でも、コロナで休校が多かったので、思い出らしい思い出がないのが少しさみしい。四月からまた通学しようと思います」と再入学が楽しみな様子だ。

 オカリナのミニコンサートも行われた。在校生から可愛い花が贈られて、一斉にクラッカーが鳴らされるなど、楽しさ一杯の卒業式となった。
(佐久間和久)