「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ」(AIRA)の招へいアーティスト、現代美術家・今井さつきさん(34)のパフォーマンスが、十四日(土)午前十一時から、JR旭川駅前と買物公園(一~七条)で行われる。

 今井さんは、一九八八年、神奈川県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。鑑賞者が参加することで作品が完成する「コミュニケーションアート」を制作している。

 行われるパフォーマンスは「人間ノリ巻き」と名付けられた、「鑑賞者参加型」の作品。鑑賞者が一緒に巻かれる具材(マグロ、玉子、キュウリ、サーモンなど)を選んで、それらを抱いて大きな米粒のマットの上に寝転がり、今井さんに巻かれることで巨大な「人間ノリ巻き」になる。そして、その姿を撮影し、プリントした写真を木板に貼って、「○○巻き」などと書いてメニュー表を完成させる。

 普段は行わない「人前で転がる」「食べ物になる」ことを、体験型のパフォーマンスとして楽しめるだけでなく、自分がメニュー表になり作品の一部になることで、体験者同士のコミュニケーションも生まれるという。日本だけでなく、ソウル(韓国)やパリ(フランス)でもパフォーマンスが行われていて、これまで二千人以上が「人間ノリ巻き」になっている。

 今回は、買物公園を移動しながらパフォーマンスを行う予定で、参加者にはノリ巻き姿を撮影した写真がプレゼントされる。今井さんは「鑑賞者が作品になることで、鑑賞者と作品、鑑賞者と作者、鑑賞者同士の関係性を楽しく変えること、日常のモノ・コトで、楽しさを増幅させることを試みるため、『ノリ巻き』と『調理』というトピックで制作しています。買物公園を移動しながら皆さんが参加できる作品を発表するので、ぜひ遊びに来てください」と呼びかける。

ノリ巻きの“おコメ”作るワークショップ
3日間開催
 また、同イベントに関連したワークショップも、十一日(水)~十三日(金)の三日間、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で開かれる。

 ワークショップは「『人間ノリ巻き』のお米を作ろう!」と題し、今井さんと一緒に「人間ノリ巻き」の一部「おコメのクッション」を作るほか、巨大なノリ巻きに触れたり、巻かれる体験もできる。

 開催時間は、十一日が午前十時から、十二日が午後四時から、十三日が午後三時からで、いずれも午後六時まで。参加無料(投げ銭制)。予約フォーム(https://www.ishikaribunmei.com/satsuki/)から事前予約できるが、予約なしでの参加も可能。

 問い合わせはAIRA事務局(メール npk@nadc.jp)へ。(東寛樹)