「アーティスト・イン・レジデンスあさひかわ」(AIRA)の招へいアーティスト、現代美術家・今井さつきさん(34)が十四日、JR旭川駅前広場と買物公園でパフォーマンスを行った。

 今井さんは、一九八八年、神奈川県生まれ。東京芸大大学院美術研究科博士後期課程修了。鑑賞者が参加することで作品が完成する「コミュニケーションアート」の作家。

 今井さんが行うパフォーマンスは「人間ノリ巻き」。鑑賞者自身がノリ巻きになれる「鑑賞者参加型」の作品だ。鑑賞者が一緒に巻かれる具材(マグロ、玉子、キュウリ、サーモンなど)を選んで、それらを抱いて大きな米粒のマットの上に寝転がり、今井さんに巻かれることで巨大な「人間ノリ巻き」になる。

 また、今井さんは今回のパフォーマンスのために、この時期ならではの具材「ギョウジャニンニク」を新たに制作した。「滞在中に行ったお店のメニューに、ギョウジャニンニクをよく見かけました。お世話になった方に醤油漬けやジンギスカンなどを食べさせていただき、自分自身でも醤油漬けにしてみたりと、思い出深いものだったので『人間ノリ巻き』の具材に追加しました」と説明する。

 パフォーマンスは、JR旭川駅前広場からスタート。マルカツ前(二条)、オクノ前(三条)、フードテラス前(五条)、まちなかぶんか小屋前(七条)を移動しながら行われ、計三十一人、二十四巻の「人間ノリ巻き」ができあがった。

 鯉のぼりをかぶり、自身も魚に扮して巻かれた水島弥寿(みこと)くん(6)は「自分も魚になって巻いてもらえて楽しかった」と笑顔で話した。

 今井さんは「街の中を移動しながらパフォーマンスを行うは初めてだったので、どのようなかたちになるか緊張した部分もありましたが、様々な方のサポートがあって実現できました」と達成感をにじませた。(東寛樹)