カンディハウス(染谷哲義社長、永山北二ノ六)は二十二日(水)、建築家の藤本壮介さんと取り組んだメタバース「Hokkaido Rock House(ホッカイドウ ロック ハウス)」を、あさひかわデザインウィーク(ADW)2022の「Meet up Furniture Asahikawa/CondeHouse Style 2022」の開催に合わせて公開する。

 「メタバース」とは、「超越した」などの意味を持つ「meta(メタ)」と、「宇宙」「世界」を意味する「universe(ユニバース)」を掛け合わせた造語。一般的に、インターネット上の仮想空間や、その空間で提供されるサービスを指す。

 「ホッカイドウ ロック ハウス」は、同社がクライアントとして、藤本さんに大雪山連峰を舞台にコンドミニアムの設計してもらう形で取り組みがスタートした。藤本さんが自由な発想で思い描く建築を、仮想空間としてバーチャル上で再現。そこにカンディハウスの製品全百八十四点(二十一シリーズ・四十九アイテム)を3Dで配置することで、これまでにないダイナミックな空間提案ができるコンテンツが誕生した。

 十五日に東京ショップで行われたプレスプレビューで、藤本さんは「北海道の自然の中で、これからの時代の私たちの生活と自然環境との関係をどう考えるか、という部分が一番大切。メタバース上ではあらゆるものを作れるが、単に好き勝手に変わったものを作るのではなく、自然との関係を究極まで考え、これからの時代の建築のあり方や生活のあり方、自然との対峙の仕方や共存の仕方を見せられないかと考えた」と説明。加えて、「この普通ではありえない空間の中でも、違和感なく、しっくりなじむというのが、優れた普遍性を持つカンディハウスの家具ならでは」と語った。

 染谷社長は「このコンテンツを使って世界に発信することで、今まで切り開けていなかったマーケットを開拓していきたい。今後の海外ビジネスにとっても、大きな武器を得たと考えている」と話した。(東寛樹)