“金子みすゞ”に
関する著書も

 「旭川みすゞ会21周年記念の夕べ」が十九日(土)午後六時から、大雪クリスタルホール(神楽三ノ七)で開かれる。世界的な理論物理学者で、音楽にも非常に造詣が深い佐治晴夫さん(美瑛町在住)が「過去はあたらしく、未来はなつかしく~八十八年目のひめくり~」をテーマに、米寿記念講演とピアノ演奏を行う。

 旭川みすゞ会(村田和子代表)は、童謡詩人・金子みすゞとその作品を敬愛する人たちで作る団体で、二〇〇一年に発足。毎年、“みすゞの倖せ飛ばし”と題して講演などを催している。

 佐治さんは一九三五年東京生まれ。東京大学などで基礎数学、理論物理学を学び、東京大学物性研究所、ウィーン大学などで研究生活後、松下電器東京研究所主幹研究員や玉川大学教授、鈴鹿短期大学学長、享栄学園理事長などを経て、現在、北海道・美宙(MISORA)天文台台長、大阪音楽大学客員教授。美瑛町在住。

 理系、文系の枠を超えた「数理芸術学」を提唱。その実践に宇宙研究の最新の成果を、平和教育へのリベラルアーツと位置づけた特別実践校は九百校を超え、著書も『詩人のための宇宙授業・金子みすゞの詩をめぐる夜想的逍遥』(JULA出版)など約九十冊。

生きることの意味、
未来への展望を
音楽の花束にのせて

 佐治さんは今回の講演に寄せて、「すべての公職を辞した二〇一三年から美瑛町に生活拠点を移し、町立の天文台『美宙』を設立。宇宙研究の成果を平和教育の一環と位置づけたリベラルアーツ教育を展開するまでの八十八年の人生を振り返って、これまでの研究成果と、その間に出会ったたくさんのできごと、人たちとの交流から学んだことなどから、生きることの意味、未来への展望などについて、最新宇宙論の紹介なども含めながら、やさしく話してみたいと思います」と語る。

 また音楽について、「空襲のさなか防空壕の中で、ゼンマイ駆動の蓄音機で聞いていたベートーベンの月光、苦難の時期に心の支えとなったシューベルトの歌曲を自らのピアノ用に編曲したものなど、音楽の花束にのせて、八十八年の人生絵巻をひもといてみたいと思います」とも。

 入場料は、前売り三千円、当日三千五百円。チケットは大雪クリスタルホール売店、ジュンク堂書店旭川店、こども冨貴堂、旭川冨貴堂末広店、コーチャンフォー旭川店ミュージックコーナーで扱っている。問い合わせは、同会事務局(佐藤さんTEL61―7911、村田さんTEL080―5581―3567)へ。(佐久間和久)