旭川農業高校(永山町十四)が、髙砂酒造(市内宮下通十七)などと協力して進めている日本酒醸造プロジェクトの一環で十九、二十日の両日、酒造り体験作業を行った。

 今年で二回目となる、旭農高の生徒が酒米の栽培から収穫、酒の製造、製品化までを実際の作業を経験しながら学んでいくというプロジェクト。四月から同蔵をはじめ、地元企業の協力のもとで進められてきた。

 今回は四月に田植えし、九月に収穫した酒米「きたしずく」約二千四百㌔を醸造する。同校農業科学科水稲班の二、三年生十六人が参加した。
 杜氏の森本良久さん(53)から工程の説明を受けて作業がスタート。蒸米や製麹作業のほか、プロジェクト酒の酒母を見学し、生徒たちは自分たちが作った米が変貌した姿を見て驚きの表情を見せていた。

 また、実際に同蔵で仕込み中のタンクで中の醪(もろみ)を混ぜる「櫂(かい)入れ」と、仕込み前に米を洗う「洗米」の二工程の作業を体験した。

 櫂入れ作業を体験した三年・紅露恋菜(こうろれんな)さんは「昨年も経験したが、混ぜても中の醪が中央に寄ってしまい、それを上手に外側へやるのには力が必要で大変だった。出来上がったお酒は、二十歳になった時に今年のプロジェクトメンバーと一緒に飲めたら嬉しいなと思っています」と笑顔で話していた。 プロジェクトで製造する酒は「歩2023」と命名。二月に七百五十㍉㍑入り約三千三百本に瓶詰し、生徒たちがデザインしたラベルを張る作業を行い、三月に発売発表会を開く予定だ。(工藤森)