『くまの子ウーフ』などの代表作で知られる児童文学作家・神沢利子さんの白寿記念展が、こども冨貴堂(七条買物公園)のギャラリーKIDSで開催中だ。

 「やえもん文庫」(市内九ノ二)を主宰し、神沢さんと親交の深い神保康子さんが、親子で長年かけて集めた三百点以上の作品が並ぶ。コレクションを提供した神保さんは、「いつもは本棚に収まっている本がこんな風にきれいに並べられて、本たちも喜んでいると思います」と話す。

 壁には神沢さん肉筆の詩や、絵本作家・あべ弘士さんが作画した絵本『くじらのあかちゃんおおきくなあれ』の原画なども展示されている。

 神沢さんは多才、多作な作家で、児童文学からエッセイ、童謡の歌詞に至るまで、さまざまな作品を世に出している。今月二十九日には九十九歳の誕生日を迎え、その日に合わせて句集『冬銀河』を刊行する予定だ。

 また、十一日(水)午後一時半から、こども冨貴堂二階で絵本の読み聞かせ会も行われる。読み手は神保さんのほか、神沢さんの長女の山田ルイさん、編集者の恵良恭子さん、あべ弘士さんを予定している。参加は無料。

 問い合わせは、こども冨貴堂(TEL25―3169)まで。(岡本成史)