銭湯フタバ湯(春光七ノ五、加地経郎さん経営)で四、五日の両日、ボンタンが湯に浮かぶ浴槽が提供された。

 ボンタンは鹿児島県産。加地さんは「鹿児島のボンタン農家が後継者不足で悩んでおり、県内の銭湯業者がボンタン湯で農家を応援しているそうです。鹿児島の銭湯仲間から『北海道でも…』と声を掛けられ、やることにした。道内ではウチだけのようだが、全国で五百軒の銭湯が協力しているそうです」と語る。

 用意されたボンタンは二十個。男湯と女湯にそれぞれ十個ずつ、湯に浮かべられた。ボンタン湯の効能は「心身をリラックスさせ、血行の促進と老廃物の排出、保温効果もあるそうです」と加地さん。

 爽やかな香りが漂う浴槽に身を沈めていた片山善浩さん(58)は「毎日、勤め帰りに寄っているが、ボンタン湯は初めて。香りもいいし、見た目も鮮やかでいいね。次も何か企画してほしい。こういうのは楽しくていいですね」と満面の笑みだった。(佐久間和久)