旭川農業高校(永山町十四)が昨年四月から髙砂酒造(市内宮下通十七)や地域の企業・団体などと協力して進めてきた日本酒プロジェクトがゴールを迎え二十二日、同校会議室で発表会が行われた。

 同プロジェクトは、酒米の生産から醸造、製品化までの工程を同校農業科学科水稲専攻班が行う企画で今年で二年目。発表会には二・三年生十四人が参加した。

 完成した日本酒は同班が栽培した酒米「きたしずく」を使った純米酒。名前は、生徒たちに漢字一字で表現する形で募り検討した結果、一歩でも前に進みたいという思いを込めて「歩(あゆみ)」に決定した。

 髙砂酒造の廣野徹企画部長(48)は「生徒たちの成長を見るのが楽しみな一年でした。酒の出来に関しても成長を感じさせてくれる物になりました。今後、このプロジェクトを通じて地域の特産品になるような商品が出来れば嬉しいですね」と話した。

 今年度、水稲専攻班の班長を務める三年生の紅露恋菜(こうろれんな)さんは「昨年は上級生に引っ張ってもらう形での参加でしたが、今年は班長として皆を引っ張る役割で、長いようで短い一年でした。このプロジェクトに関われたことは、高校生活で一番の思い出となりました。お酒が飲める二十歳になるのが今から楽しみです」と笑顔で話した。

 「歩」は、七百二十㍉㍑入り千四百八十五円(税込)。三月十日(金)から髙砂酒造直売店・オンラインショップ、全国の酒類販売店で販売される。
 また、髙砂酒造ではプロジェクトに参加した生徒たちが二十歳になるまで同商品を貯蔵し、二十歳を過ぎたタイミングでプレゼントする予定だという。(工藤森)