旭川市内の高校演劇部の有志らで構成する劇団「氷点華」の公演「その十二支、所説アリ。」が二十七日(土)、市公会堂(常磐公園)で行われる。

 同劇団は一九八〇年代、「樹氷」の名称で発足したのが始まり。二〇〇四年に一度解散するが、〇八年に現在の「氷点華」として再結成された。新型コロナの影響による二度の中止を経て昨年、三年ぶりとなる上演を果たし、今回で十五回目の公演。

 今年は、旭西、旭北、旭南、旭永嶺、旭商、旭農、旭明成、旭実の八校が参加。実行委員会を中心に、キャスト、制作、大道具、音響、照明、衣裳のセクションで構成され、それぞれに複数の高校から部員が配属される。

 メンバーらは三月末にオーディションを行い、四月から稽古をスタート。放課後や休日などを利用して、本番に向けた稽古に励んでいる。

 演出担当の後藤珈琳(かりん)さん(旭商三年・17)は「役者の演技については、まだまだ改善の余地があります。人数が多く、それぞれ個性が強いのでまとめていくのは大変ですが、それが氷点華らしさというもの。演劇は、役者の演技だけでなく、お客さんの反応が重なることで完成します。本番は、とにかく役者自身が楽しんで演じれば、見に来たお客さんにも伝わるはず。見終わったあと、みんなが笑顔で帰ってもらえたら」と話す。

 実行委員長の森真斗(まなと)さん(旭北三年・17)は「佳境に差しかかっていますが、詰めの甘いところが目立つので、本番までにどこまで仕上げられるかが勝負かなと考えています。この劇は一貫したメッセージがあるわけではなく、より幅広い人に刺さる作品なので、多くの人に楽しんでもらいたい。三年ぶりの公演となった昨年は、本番を経験したメンバーが一人もいないので、全員が手探りの状態でした。今回は経験のある自分たちが中心となり、先輩方が残してくれた反省点なども生かして、より良い作品になるよう頑張りたい」と意気込む。

 公演は、①午後一時半~、②午後六時~の二回行われ、それぞれ三十分前開場。チケットは六百円(小学生以下無料)で、まちなかぶんか小屋、ギャラリープルプル、こども冨貴堂のほか、劇団氷点華の団員から購入できる。公式ホームページ(https://hyotenkaasahikawa.wixsite.com/my-site)から、当日券の取り置きも可能。

 問い合わせは、公式ホームページの専用フォームから。(東寛樹)