『さっぽろおさんぽ日和』などの著書で知られる絵本作家・イラストレーターのすずきももさんによるワークショップ「カレーのパタパタ絵本を作ろう」が五月二十七日、こども冨貴堂ギャラリーKIDSで行われた。

 同ギャラリーで開かれた『ハルルさんのひでんのカレー』絵本原画展(五月十六~三十一日)にちなんで行われた企画。小学生から中学生まで四人の子どもが参加して、蛇腹折りにした画用紙に色鉛筆やクレヨンなどで絵を描き、表紙とヒモをつけて四ページの小さな絵本を作った。

 まずはすずきももさんが、「うちのカレー」というタイトルの作例を見せて作り方を説明。その後、子どもたちが思い思いに、カレーをテーマにした絵を描いてパタパタ絵本を作った。一ページごとに種類の違うカレーライスを描いたり、動物を主人公にしてカレーの食材集めをするストーリーを考えたり、おのおの個性たっぷりの作品ができ上がった。

 すずきももさんは、自然で持続可能な食に関する啓発活動を行う「スローフードさっぽろ」の事務局長でもあり、これまで多くの著作を出版した際の幅広い取材経験から、食や生産者への造詣が深い。今回出版された絵本『ハルルさんのひでんのカレー』は実在の人物がモデル。手作りスパイスで三週間寝かせたカレーなど、置戸町の学校給食センターで食材や調味料にこだわった本格志向の給食を四十年間作り続けた元管理栄養士の佐々木十美(ささきとみ)さんを描きたいという思いから生まれた。かわいくて親しみやすいイラストと良質な情報を兼ね備えた、すずきももさんらしい一冊に仕上がっている。絵本はこども冨貴堂でも購入できる。(岡本成史)