二〇二四年に開かれるユネスコ創造都市ネットワーク・デザイン分野のサブネットワーク会議(デザイン都市会議)の開催地が旭川市に決まり、三日、今津寛介市長が臨時記者会見を開いた。

 市は一九年にユネスコ創造都市ネットワークのデザイン分野への加盟が認定されて以降、「旭川デザインプロデューサー育成事業」や「キッズデザイン事業」など、行政によるデザイン関連の取り組みに注力。今年度、デザイン行政の推進を目的にチーフデザインプロデューサー(CDP)を新設し、「KESIKI」(東京)の石川俊祐さんを招へいした。

 同会議の誘致に向けては、あさひかわ創造都市推進協議会(渡辺直行会長)を中心に準備を進め、今年六月、同じく二四年の開催地に立候補したソウル(韓国)、ドバイ(アラブ首長国連邦)と共にプレゼンテーションを実施。七月四~三十一日に行われた投票の結果、デザイン分野四十三都市のうち二十八都市が投票し、二十一票を旭川が集めた。日本で同会議が開かれるのは、一五年(名古屋市)に続いて二回目。

 開催日は現状、来年のあさひかわデザインウィーク期間中に合わせた、六月十七日(月)~二十一日(金)の五日間を想定。開催時期は、同ネットワークの年次総会の日程と連動するのが慣例のため、それが決まる今年九月以降に正式に決定する。

 同会議では、全体会議のほか、テーマ別会議、交流会、エクスカーション(体験型見学会)などを行う。具体的な内容は今後、コーディネーター都市の武漢(中国)、副コーディネーター都市のダンディ(スコットランド)と協議しながら決めていくという。

 今津市長は会見で「旭川の魅力を世界に発信できる大きなチャンス。デザイン都市としての旭川が国際的に高い評価が受けられ、市の発展に資するよう取り組んでいきたい。旭川がこれから、どのようなビジョンを持ってデザインのまちづくりを進めていこうとしているのかを、世界の皆様に知っていただき、デザイン以外にも大きな波及効果が生まれることを期待している。さらに、デザイン分野の人材育成や、子どもたちの郷土愛にもつながっていく」と述べた。

 現在、海外出張中の渡辺会長は「圧倒的な差で旭川が選ばれたことに驚きました。自然との共存を踏まえた持続可能な未来を目標としているほか、子どもから大人、産学官連携など、他都市にはない広がりのある旭川のデザイン活動に、投票してくれた都市が共感と興味を持ってくれた結果だと思います。これを弾みに、国内外にデザイン都市・旭川をもっと認知してもらい、地元の皆さんにも旭川がデザイン都市になったことを知っていただきたい。そして、デザインは自然という資本があってはじめて機能することを理解いただき、自然と共に幸せな社会を目指す、デザイン活動の『あさひかわスタイル』を広げていきたい」とコメントを寄せた。(東寛樹)