今年十一月の開庁に向けて進められていた旭川市新庁舎の新築工事が終わり、一日、落成式が開かれた。市の主催。

 招待された約百人が参加し、新庁舎の完成を祝った。

 式の冒頭、今津寛介市長が「昨年、旭川市は市制施行百年の節目を迎え、新たな百年に向けて歩みを始めている。本庁舎はまさに、百年使用可能な庁舎。完成して終わりではなく、五年後に日本一の窓口を目指し、市民サービスの向上と、効率的・効果的な行政運営に職員一丸となり努めていく」と挨拶。来賓からの祝辞の後、新築工事に関わった事業者らに感謝状が贈られた。

 式の終了後に行われた招待者向けの見学会では、総合窓口のある一、二階のほか、子育て支援部などが入る三階、八階の市議会議場、九階の展望ラウンジなどを見て回った。

 一階には、件数の多い各種証明書の交付や転入・転出、出生、婚姻の届け出などの窓口を配置。二階では介護保険・高齢者福祉やパスポート、マイナンバーカードの手続きができるなど、窓口機能を集約した。

 吹き抜けで開放感のある一階のエントランスホールは、大きなガラス窓を開け放つこともでき、イベントなどでも利用可能だという。

 子どもに関する手続きなどを行う三階の一角には、子どもが待ち時間に遊ぶことができるキッズスペースや授乳室を設置。キッズスペースの壁にはガラスボードが取り付けられ、専用のクレヨンで落書きして遊べるほか、DVDなどを見て楽しめる。また、同フロアには、市民団体などが気軽に打ち合わせや会議に利用できる「市民協働スペース」も備えられた。

 八階・議場に使用された木材は、全て道産材。壁にはトドマツ、天井のアーチ状の梁には、私有林で間伐したカラマツと、白い木を基調としているため明るい印象となっている。カーペットは、「川のまち」旭川から、水面をイメージしたブルーカラーに。議長席の背後には、大雪山をイメージした木製のパネルが設置された。

 議場に配置される机や椅子は、全て旭川家具で揃えられるほか、傍聴席には子ども連れでも気軽に傍聴できるよう、ガラスで仕切られた個室の親子席が設けられた。

 九階にある展望ラウンジでは、晴れた日には大雪山十勝岳連峰を一望できる。壁面には銘板寄付者の名前が刻まれた銘板が並び、ラウンジスペースには今後、市内の子どもたちがデザインを手がけた、旭川家具のベンチやテーブルなどが設置される。

 新庁舎でのサービスは十一月六日(月)、一~三階から開始される予定だ。(東寛樹)