上川地区農協組合長会による「宝船奉納式」が五日、市内神楽岡の上川神社で行われた。今年の五穀豊穣(ほうじょう)を感謝し、来年の豊穣を祈願するため、上川管内産のコメや野菜、花などでかたどった宝船を奉納した。式には管内の全十三農協の組合長ら二十数人が参列し、神楽舞などの神事もとり行われた。

 宝船の長さはおよそ二㍍。長ネギを帆に、てん菜の茎と葉を波に見立てるなど随所に工夫が凝らされ、ニンジンなどの赤が彩りを添えていた。完成まで四~五時間かかったという。

 同神社の権禰宜(ごんねぎ)・板谷之敬さんは挨拶の中で「ここはかつて上川離宮の建設予定地だった、ありがたい場所で、今年は上川神社の遷座から百年の年。二回目となる今年も地元の作物ですばらしい宝船が完成した。毎日の食事をもとにさまざまな産業の仕事が成り立っているわけで、その食にたずさわる皆さんの仕事はすばらしい」と感謝の言葉を述べた。

 同会の植崎博行会長(ふらの農協組合長)は「ウクライナ戦争で食の大切さが見直されている。『国産国消』という言葉も言われるようになった。生きる源である食物の生産が私たちの役割であり、しっかりと取り組んでいきたい」と話した。

 宝船は十日(火)まで本殿に置かれる。七五三の時期に重なるため、その間に訪れた子どもたちも記念撮影できる。植崎会長は「子どもたちに食料の大切さをわかってもらうのにも良い」と語っていた。(岡本成史)