札幌市の市民活動団体「せんぱいの風HD協議会」(原かなえ会長)が九月二十五日、旭川市教育委員会に窓用エアコン二台を贈った。

 同団体は二〇一八年、胆振東部地震の直後、防災意識が高まったメンバーが集まり設立された。防災の視点から、地域や学校の環境整備、課題解決に取り組んでおり、学校へのエアコンの寄贈もそのうちの一つ。

 災害時の避難所として指定されている学校は、道内では夏場の暑さ対策がされていない場合がほとんどのため、まずは保健室へエアコンを設置する取り組みをスタートした。これまで、札幌市のほか小樽市、千歳市の小中学校に窓用エアコンを寄贈しており、旭川が四都市目。寄贈するエアコンは、企業などからの寄付やクラウドファンディングで集まった資金を活用して購入している。

 原会長は「学校にクーラーを設置するのが私たちの目的ではなく、この取り組みが地域防災や学校教育などいろいろなものに波及して、大きな動きになるきっかけになれば」と話した。

 寄贈を受けた野﨑幸宏教育長は「学校の冷房設備の整備が課題となっている中、このような支援をいただきとてもありがたい。保健室にクーラーのない学校がまだあるので、まず保健室にと考えている。対象の学校が決まり次第、すぐに設置したい」と語った。(東寛樹)