児童文学作家の神沢利子さんの百歳を記念するイベントが八日午後、こども冨貴堂とギャラリープルプル(ともに七条買物公園)で開かれた。超満員の六十人が参加。

 神沢さんは一九二四年一月二十九日、現在の北九州市生まれ。『くまの子ウーフ』(二〇〇一年・ポプラ社)、『くじらのあかちゃん おおきくなあれ』(二〇一三年・福音館書店)、『鹿よ おれの兄弟よ』(二〇〇四年・福音館書店)、『いないいないばあや』(一九九六年・岩波書店)など数々の絵本や著書がある。

 神沢さんの、もうすぐ百歳を記念して、長女の山田ルイさんが、母親として、女性としての神沢利子の素顔をユーモアを交えてたっぷりと語った。例えば――。

 戦後、父親が行方不明になり、二人の娘を抱えて、神沢一家は困窮する。「生活力のない母は、質屋に私を連れていくんですよ」。「もう、よるべなさ丸出し」。「私はいまで言う、ヤングケアラーですよ」などなど。

 二部では、絵本作家のあべ弘士さん、俳人の平間純一と山田ルイさんの鼎談。神沢さんと古くから親交がある、こども冨貴の福田洋子さんが司会を務め、懐かしい話もたくさん飛び出して、なごやかな集いとなった。

 二月十五日(木)まで、「神沢利子さん100歳記念展」が、こども冨貴堂ギャラリーキッズ(午前十時~午後六時)で開かれている。(工藤稔)