「シリーズ写真アーカイブ 谷口家の写真箱から1943―1971」と題した写真展が二月二日(金)から二十八日(水)まで、みんなのカフェ銀座(三ノ十五、銀ビル一階)で行われます。「あさひかわ写真研究会」(谷口多恵子代表)の主催。

 同研究会は“写真の永久保存と活用”の活動に取り組んでおり、明治期から二〇一〇年くらいまでに旭川市内で撮られた写真の提供(返却可)を市民にお願いしています。今回の企画は、写真の持つ“記録の重要性”を市民に知ってもらいたいとの思いで開かれます。

 写真展は、谷口家に保存している家族写真などを展示。同研究会の顧問を務める写真家の谷口雅彦さん(多恵子さんの息子)は、「母は父との写真や祖父母の写真、私が生まれた時からの写真をビニール袋に保存しており、私は物心付いた頃から、それをタンスの奥から出してきては、一枚一枚見るのが好きでした」と振り返ります。

 また「高校生になると、その一枚一枚について父母から聞き取りをして、写真の裏側に鉛筆でメモするのが習慣になっていました。高校を卒業し東京に出て、十数年後、その写真群を母は和菓子の箱に移し変え整理していました。今回はその写真群の展示を、母の七十九歳の誕生日の二日から始めることにしました」と語っています。

 谷口さんは昨年十二月、「旭川で最初の写真師中鉢直綱とあさひかわ写真展」を開催しました。その時、多くの市民が来場し、期間中に約七百五十点の旭川の写真が持ち込まれました。「このことは特筆に値することだと思います。市民は写真のアーカイブの意識があり、その意味を理解していると知りました」と驚いており、同研究会の活動に一層の意義を見出しています。

 谷口さんは二〇一一年の東日本大震災、一六年の熊本地震で被災地に赴いた時、誰もが口にしたのは「家族の写真」だったと言い、「結局のところ、心休まるのは家族との温かい時間を過ごした様子が記録されている写真なんですね」と話しています。

 この写真展では、心温まる谷口家の家族写真約三十点が展示されます。

 開館時間は、午前十時から午後四時まで(最終日のみ、午後三時まで)。日曜日と祝日は休み。
 写真展の問い合わせは、みんなのカフェ銀座(TEL 090―5221―3297、メール Minnacafe0416@gmail.com)へ。
 なお、写真提供の問い合わせは、五条買物公園・旭川はれて屋台村「日本茶カフェWHIZ(ウィズ)」(TEL 070―2353―4188、水曜定休)まで。

 「あさひかわ写真研究会」と谷口さんが代表を務める「谷口雅彦写真アーカイブ室」は、これまでのアーカイブの活動が評価され、このほど二〇二三年度の「旭川ななかど文化賞」を受賞しました。