旭川信用金庫(武田智明理事長)が昨年十二月、東京海上日動火災保険(原博英・旭川支店長)と「SDGsと地方創生の推進に関する包括連携協定」を結び、十九日、共同記者会見を開いた。

 同金庫は、同社が開発した「SDGs取組診断ツール」の提供を受け、地域事業者のSDGsへの取り組みを可視化することで、様々な視点から金融サービスや課題解決ツールを提供するなど、事業者に寄り添った伴走支援を行えるようになる。

 同ツールでは、初めに事業者が「環境」や「サステナブル」などSDGsに関する四十の設問に回答すると、強みや課題がグラフなどで可視化された「診断レポート」として示される。さらに「SDGs行動宣言書」のデータを作成し、自社のホームページに掲載するなど取り組みの周知に役立てられる。

 原支店長は「SDGsに取り組む企業が一社でも十社でも百社でも増えて、旭川が安心・安全でハッピーなまちになるよう、全力で支援していきたい」と語った。

 「SDGs取組診断ツール」を用いた取り組みは、二〇二四年度に創立百十周年を迎える同金庫の新サービスの一つとして、今年四月に本格的なスタートを予定しているという。武田理事長は「SDGsを通じて、今日も明日も幸せであり続けられる地域社会の実現に向けて、皆さまと一緒に歩んでいきたい」と話した。

 同サービスの導入にあたり、国内外で繊維リサイクル事業を展開する「キョクサン」(山崎真嗣社長、鷹栖町)がテスト企業として協力。診断結果を受けた山崎社長は「環境に優しい事業を行っている自負はあるが、SDGsの目標に対して具体的に、なにができていて、なにができていないのかを知る術がこれまでなかった。自社の強みや貢献度だけでなく課題もわかるので、今後の指標にもつながる非常にいいものだと感じた」と感想を述べた。

 また、同社の取り組みに賛同した同金庫では、職員らが自主的に古着・古布を回収。一週間ほどの期間に一㌧を超える古着・古布が集まり、同社に贈られた。さらにこれらの回収代金相当分が、同社を通じて、カンボジアに寄付されるという。(東寛樹)