旭川工業高校定時制ドローン部が二月二十三日(金)、東川町第三地区コミュニティセンター(東川町町東八北一)で野外飛行訓練を行った。

 ドローン部があるのは道内では同校だけ。二〇二二年に創部され、現在は一年生から三年生までの十人が在籍している。

 今回の飛行訓練は、同部初の住宅地上空で行うもので、東川町役場と同町第三自治振興会が協力し実現した。訓練ではドローン空撮の第一人者の請川博一さんをはじめ、国土交通省、北海道科学大学、日立建機日本などプロからの指導があり、部員たちは熱心に訓練に取り組んだ。

 訓練に際し、同部顧問の湯川崇教諭は「テーマは『社会貢献』。地域に密着した結果を出していきたい。今回、オブザーバーとしてそうそうたる面々が集まった。この貴重な機会でたくさんのことを学んで帰ろう。これまでの訓練の成果を思う存分発揮してほしい」と部員を激励した。

 部員らはそれぞれ街区チーム、住宅地チーム、防災チームなどに分かれ、飛行計画を立案。指導をうけた後、機体の安全確認、周囲への安全誘導、目視での記録や操縦など、役割分担を行い、一チーム四人体制で機体を飛ばした。飛行後は住宅地上空の空撮、3D化による積雪状況の分析を行い、屋根の雪下ろしなどによる事故の減少を目指し、住民への提言を行った。

 訓練を終え、部長の中濱聖也さん(三年)は「今までは近くに民家や人のいない場所での野外飛行だったので、今回は住宅の上で高度もあり不安もあったが、請川さんをはじめ、心強いプロの方々がいたので、安心して飛行できた」と訓練の成功を喜んだ。

 そのほか、部員たちからは「貴重な体験ができた」、「最新のドローン技術を学べた」、「実際の災害時の動きなどを知れた」など感想が出た。また、活動を見守った保護者は「他の学校にはない部活で、子どももやる気がとてもある。今後の活動が楽しみ」と話した。

 湯川教諭は「来年度はドローン部に入りたくて入学する子もいます。定時制は全日制と違い四年間在学できます。そのことをアドバンテージと考えて、しっかりと指導をしていきたい。建築や土木の業界や国土交通省など、進路を見据えて活動している子も多く、これまでの訓練で資格を取得したりと、確実に成長しています。定時制のあり方を見直すきっかけになりうる活動だと思います。偏見のようなものがなくなっていけば、もっとおもしろいことになる」と今後の活動について意欲を見せた。(作田穂菜美)