企画展「~リアリズムへの誘い~写実絵画展Ⅲ」が、ギャラリーシーズ(久木佐知子代表、旭町二ノ三)で開催されている。

 レンブラントやフェルメールなどに代表される写実絵画は、十九世紀中頃にフランスを中心に盛んになった様式で、時代を経た今も高い人気を誇っている。同じ写実絵画でも、光と影を強調する作品から、筆のタッチさえ見せないスーパーリアリズムまで、ひとくくりでは表せない幅広さと奥深さがある。同展では、菊池潤子、星野美知枝、杉澤義人など地元作家を含めた十二人の作家による二十五点の作品が展示されている。

 今回注目したいのは、現代画壇の第一人者・絹谷幸二が才能を認めた名和智明の作品。油彩の「マスカット」を近くで眺めると、背景の森林を細かな点で表現した筆のタッチや、忠実に描かれたマスカット表面の茶色い斑点など、その繊細な作業に驚かされる。

 地元作家では、新ロマン派協会賞を受賞した杉澤義人の作品が昨年に続き展示されており、今年はさくらんぼをモチーフにした作品も加わった。りんごの作品同様、果実のリアルな表現は息を飲むほどだ。

 展示は二十七日(月)まで。入場無料。開廊時間は午前十一時から午後六時半(火曜日休廊)。問い合わせは同ギャラリー(TEL 53―8886)へ。(岡本成史)