二〇二四年度の北海道社会貢献賞の授賞式が十六日、上川総合振興局で行われた。

 今年度、同賞の野生鳥獣保功労者は四人、自然保護功労者は一団体と二人が選ばれた。そのうち旭川市からは、野生鳥獣保護功労者に柳田和美さん(70)、自然保護功労者に大雪山マルハナバチ市民ネットワーク(福地徳次代表・74)が選ばれ、竹澤孝夫局長から表彰状が授与された。

 柳田さんは、一九八〇年代から野鳥観察を始め、現在、日本野鳥の会旭川支部や旭川野鳥の会、人と野生生物の関わりを考える会の会長を務め、市民への愛鳥思想の普及啓発発動や、カラス、オジロワシ、オオワシの調査、全国鳥類繁殖分布調査、モニタリング調査、環境省重要生態系監視地域モニタリング推進事業など、環境保全活動を市内・近郊各所で長年行ってきた。

 大雪山マルハナバチ市民ネットワークは、二〇〇六年に環境省が生態系に大きな影響を及ぼすとして特定外来生物に指定した「セイヨウオオマルハナバチ」の、大雪山国立公園内への侵入防止を目的に同年九月に設立された。市民対象の捕獲体験ツアーや捕獲実習講習会、講演会を実施しているほか、大雪山国立公園内などでの繁殖の有無のモニタリングや侵入経路特定のための花資源調査などを行っている。

 竹澤局長との懇談の中で、柳田さんは、旭川へのハクチョウの飛来について触れ、「三十年ほど前まではコハクチョウだけだった飛来が、永山新川が出来た頃からオオハクチョウの飛来も見られるようになった。コハクチョウは警戒心が強く、人前に姿をあまり見せないため、私たちが身近に見ることができるのはオオハクチョウです」と解説。

 福地さんは、「今年の夏、女王バチを大雪山旭岳の裾合平で一匹確保して、専門家に確認してもらった」と報告。寺島一男さんは「まだ、大雪山国立公園内での越冬は確認されていないので、厳しい冬山での越冬は難しいのでしょう」と推測していた。

 柳田さんも福地さんも「これからも、できるだけ長く活動を続けていきたい」と語った。(佐久間和久)