あさひかわ新聞に「歩きお遍路一人旅」を連載している中村洋一さんが十一日、北部老人福祉センター(春光二ノ七)で講演会を行った。
四回連続の講演で、これまで三つの国(県)を一つずつ紹介。今回は最後の国・讃岐(香川県)を回る結願の旅。第六十六番札所雲辺寺から第八十八番札所大窪寺までを巡った。
遍路途中で出会った巡礼者やお接待をしてくれた人々、それぞれ特徴のある旅館や善根宿(ぜんこんやど)の様子、旅先での苦労話などを二十三寺の解説とともに、臨場感を持って語った。
中村さんは時々、「猪(イノシシ)注意の看板の次に多い看板は?」などのクイズを出しながら解説。答えは「マムシ」。「草むらには、この看板がよくあった」と話した。また「八十七番札所長尾寺まで来た時、『あと一寺で終わりか』と思うと、すごく寂しく感じた」と振り返った。
結願後、高松市内を友人と観光。「栗林(りつりん)公園は実に美しい公園。高松に行った時は、是非行ってください」と勧めた。
休憩時間には、「一度、遍路道を歩きたいと思っている」という人など多くの参加者が、中村さんが持参した納経帳などに興味深く見入り、盛んに質問していた。
中村さんが歩いた全行程の日数は四十八・五日、距離は千三百三十一㌔、約二百万歩だった。(佐久間和久)