「CAP(キャップ)あさひかわ」(中島智子代表)主催の「公開子どもワークショップ」が十日、市民活動交流センター・ココデ(宮前一ノ三)で行われた。

 CAPは「子どもへの暴力防止」の意味で、「Child Assault Prevention」の略。子どもたちが、いじめ・痴漢・誘拐・虐待・性暴力などのさまざまな暴力から自分
を守るため、どう対応できるかを伝えるプログラム。旭川市近郊から大人・子ども十五人ほどが参加した。

 CAPスペシャリストの資格を持つスタッフ八人がファシリテーター(進行役)と演じ役になった。

 まず「安心」「自信」「自由」の三つの権利について説明。会場の子どもたちに「どんな時にこんなふうに思う?」と問いかけ、三つの言葉の具体的な内容を子どもたちと確認し合い、「生きていくのに必要な権利」とまとめた。

 これを基礎に、四つの「いじめ」「誘拐」「性的いやがらせ」「おとなへの相談」のロールプレイ(実際の場面を想定し、演じること)を三人のスタッフが行った後、子どもたちも参加し、対処法を一緒に考え、学んだ。
 最初は「いじめ」。下校時、一人の子どもがもう一人に、自分のカバンを家まで持って行くことを強要。強要されたもう一人が、しぶしぶカバンを持ち運ぶというロールプレイ。スタッフが「皆、どう思う」と問いかけると、子どもたちから「ダメ!」の反応。「じゃあどうしたら良いと思う?」「誰かに相談する!」等々のやり取りがあった後、相談相手の友だち役として、子どもたちもロールプレイに参加した。

 「誘拐」の時は、子どもから「いかのおすし」の大声が返ってきた。知らない人には、ついていかない。車にのらない。おおきな声を出す。すぐ逃げる。おとなにしらせる防犯用語だ。もし、連れ去られそうになった時、お腹の底から叫び声を出す方法も、参加者全員で実演した。

 スタッフは「自分がイヤなことはハッキリと拒否することと、信頼できる人に相談すること。もし、信じてもらえなくとも言い続けることです」と強調した。

 中島さんらは二〇〇〇年から、市内を中心にCAPの活動を開始。市教育委員会の依頼を受け、二三年には中学一年生を対象に、二四年には小学三年生を対象にCAPのプログラムを実施している。

 通常、公開でのワークショップは行わないが「CAPを多くの人たちに知ってもらい、関心を持っていただくため」、今回の子どもワークショップとおとなワークショップを行い、CAPのスペシャリスト養成講座も旭川市内で実施する。

 公開おとなワークショップは七月十九日(土)、市民活動交流センター・ココデ二階研修室で午前十一時~午後一時まで。 CAPスペシャリスト養成講座は、基礎編が九月十三日(土)~十五日(月)ときわ市民ホール四階多目的ホールで、実践編が十月十一日(土)~十二日(日)勤労者福祉会館二階中会議室で。受講料は基礎編二万四千円、実践編一万六千円(学生など二十二歳までは受講料免除が受けられる)。

 関心のある人、詳しいことを知りたい人は、山越さん(TEL・FAX 35―3233)まで。「詳しい資料を送ります」とのこと。 (佐久間和久)