原発廃絶を願う「反原発 金曜広場」が五月二十三日、六百六十六回目を迎えた。毎週金曜日午後二時半から三十分ほど、参加者が手作りの「原発はいらない!」「原発再稼働NO」などのプラカードを首から下げ、一条通買物公園のアッシュ前に立ち、通りをゆく人々に無言の訴えをしている。この日、初参加の人も加え、八人が集まった。広場に来るも来ないも個々人の自由意志で、特定の組織や団体とのつながりは一切ないという。
広場がスタートしたのは、原発事故翌年の二〇一二年六月二十九日から。元高校教諭の清水次幸さんが、首相官邸前で毎週金曜日に開かれている集会を知り、友人ら三人と始めたのがきっかけとなった。午後六時から一時間ほど、四条買物公園で静かに反原発を訴えた。清水さんが亡くなった後も、清水さんの遺志が引き継がれ、現在まで続いている。しかし参加者の高齢化が進んだことから、体力面を考慮し、時間を午後六時から、午後二時半へと。また場所も「なるべく人通りの多いところを」と四条から一条へと変更した。
氏家正実さん(78)は「原発で生じる廃棄物処理が未解決なことや、政府が進めようとしている原発再稼働の問題は、これからを生きる若い人たちに深くかかわってきます。ぜひ若い人たちにも参加していただきたい」と訴える。
三回目から参加している荒康子さん(85)は「十三年の間に、亡くなった方も多くいらっしゃった。これまで続けて来られたのは、原発事故を絶対に忘れてはならないという思いと、原発は廃絶しなければならないことをみなさんに考えていただきたいと願ってきたからです。これからも続けていきたい」ときっぱりと語った。(佐久間和久)