「金子みすゞ甦りの軌道」と題した児童文学者・詩人の矢崎節夫さんの講演会が二十二日(日)午後二時から、別格別院願成寺(五ノ十九)で開かれます。旭川みすゞ会の主催。

 金子みすゞは一九〇三年、山口県大津郡仙崎村生まれ。本名はテル。二三年頃から、「金子みすゞ」の名で童謡の投稿を始め、優れた童謡詩を生み出しました。西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛されながら、二十六歳の若さでこの世を去りました。

 その後、矢崎さんが十六年という歳月をかけ実弟が持っていた、みすゞの五百十二編の遺稿を見つけ出し、『金子みすゞ全集』(JULA出版局)として出版。二〇〇三年、長門市に「金子みすゞ記念館」が開館。現在、みすゞの詩はフランス語やドイツ語、中国語、ネパール語、ヒンディー語などに翻訳され、世界に広がっています。

 矢崎さんは「金子みすゞ記念館」館長。一九四七年、東京生まれ。早稲田大学在学中に童謡・童話の世界を志し、童謡詩人まど・みちおに師事。八二年、童話集『ほしとそらのしたで』(フレーベル館)で第十二回赤い鳥文学賞を受賞。童謡・童話の世界で活躍、多くの著書があります。

 創作活動の傍ら学生時代に出会った童謡「大漁」に衝撃を受け、作者の金子みすゞの作品を探し続けました。十六年後、実弟が持っていたみすゞの遺稿に出会って以後、みすゞの作品集の編集・出版に携わる一方、全国各地に赴き、みすゞの語り部として講演を行っています。二〇一四年童謡文化賞受賞、二一年児童文化功労賞を受賞。

 今回の講演は、「今、初めて明かされるみすゞの甦りの秘話」をテーマに、矢崎さんがみすゞの遺作探索にかかわって以来、これまでの講演ではほとんど話されて来なかった不思議な体験などについて語ります。

 参加料は二千円。チケットは、ジュンク堂書店旭川店(TEL 26―1120)、こども冨貴堂TEL 25―3169)、コーチャンフォー旭川店ミュージックコーナー(TEL 76―4002)で発売中。

 旭川みすゞ会はみすゞの詩を中心に意見交換を行ったり、日々の生活の中にあるみすゞ的視点についての話などをしています。年一回、「みすゞの幸せ飛ばし」と称し、講演会などの主催運営も行っています。興味のある人は、村田和子代表(TEL 22―3567、TEL 080―5581―3567)へ。