旭川の出版社ミツイパブリッシング(中野葉子代表)が、第五十九回小熊秀雄賞を受賞した詩集『光る轍』を普及版として発行し、全国の書店に流通する詩集として生まれ変わらせるプロジェクトに取りくんでいる。
『光る轍』は、著者の生駒孝子さん(62、静岡県浜松市在住)が自費出版し、二〇二五年度の第五十九回小熊秀雄賞を受賞した。著者は、現役の女性トラック運転手で、十一㌧トラックのハンドルを握る。
詩集に収録されているのは、女性トラックドライバーの日常だ。深夜に働く若い女性店員を案じる「深夜のコンビニで」、労働時間があと少し短ければと願う「あと三時間」、物流を支える誇りと現実、同僚との交流、勤務中に家で待つ老母を思う心境…。労働者であり生活者でもある著者の苦楽が、平易な言葉で綴られている。
四月に開かれた最終選考会では、五人の選考委員が一致して、この詩集を強く推して、受賞が決まった。
『光る轍』は私家版として発行され、生駒さんが所属する国鉄詩人連盟を通じて、主に詩の仲間たちに無償で手渡されていた。小熊賞の受賞が決まり、地元のこども冨貴堂に八十冊が納品されたが、あっという間に売れてしまい、生駒さんの手元にも在庫がない状態になっている。
ミツイパブリッシングは二〇一三年の創業以来、「小さな声をカタチにします」をモットーに丁寧な本づくりに取りくんでいる。中野代表は、「このままでは、大きな反響を呼んだ作品が、新たな読者と出会う機会を失ってしまいます。そこで、装いを新たにした普及版として、全国の書店や図書館に流通する一冊に生まれ変わらせたいと考えました」と再発行プロジェクトの動機を語る。
一口一万円で支援金を募っている。目標は、取りあえず、印刷・製本費として五十万円。四六判、ソフトカバーで百二十八㌻、千九百八十円で書店に並ぶ予定だ。選考委員の詩人・佐川亜紀さんが解説を寄せる。
支援金の募集締め切りは八月十日(月)。同月中旬には、見本が完成し、支援者に発送されて、下旬に全国の書店で発売される予定だ。支援金の申し込み、問い合わせは、メールhatena@mitsui-creative.comから。
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